法隆寺西円堂の奉納鏡

三角縁神獣鏡をはじめ、古来鏡には不思議なチカラが宿るとされてきました。

世界遺産法隆寺にも、銅鏡の奉納で知られるお堂があります。境内の北西隅の小高い場所に建つ西円堂には、数多くの鏡が納められています。

法隆寺西円堂

法隆寺西円堂。

西院伽藍向かって左手の三経院・西室を回り込んで、さらに北へ進むと正面に石段が見えてきます。その石段を登った小高い場所に、建長2年(1250)に再建された八角形のお堂が見えてきます。お堂の名前を西円堂(さいえんどう)と言います。堂内には乾漆の薬師如来坐像が安置されており、霊験あらたかな峯の薬師と慕われています。

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松喰鶴の図円鏡

古来、人々は西円堂のご本尊である薬師如来に願い事をし、その願いが成就すると、自分が最も大切にしていた物を奉納しました。西円堂内には武具や銅鏡、さらには櫛などがぎっしりと納められていたそうです。

峯の薬師のご利益の深さが感じられますね。

法隆寺西円堂の奉納鏡

奉納鏡の中で最も古い和鏡とされる「松喰鶴(まつくいつる)の図円鏡(ずえんきょう)」。

平安時代後期の奉納鏡とされる松喰鶴の図円鑑。法隆寺ではこの鏡の写しを作り、参拝客に奉納してもらい、往時と同様に西円堂の柱に取り付ける作業を行っています。

東大寺ミュージアムに見られる花喰鳥も瑞鳥として知られますが、松喰鶴のように口に花や樹皮を咥えています。おそらく松喰鶴も同じような目的でデザインされているものと思われます。

峯の薬師

西円堂の前に、峯の薬師と書かれた木札が掛かっています。

西円堂の歴史は古く、奈良時代の養老2年(718)に藤原不比等の夫人である橘三千代の発願により創建されています。建物の正面からご本尊を拝ませて頂きましたが、なかなか立派な体躯をなさっていました。座高2m24cmの薬師如来坐像は、ゆったりと慈悲に満ちた印象に包まれています。

法隆寺西円堂の手水処

法隆寺西円堂の手水処。

西円堂の文字が刻まれています。

法隆寺西円堂

西円堂では、毎年10月8日に奉納法要「大般若転読」が勤修されます。

西円堂奉納鏡の奉納料は、一枚2万5千円となっています。

法隆寺寺務所にて随時受付中ですので、峯の薬師のご利益に授かられた方は鏡の奉納をおすすめ致します。

法隆寺の瓦

法隆寺の「法」を表しているんでしょうね。

西円堂の東側には時を知らす鐘(鐘楼)があり、現在は8時・10時・12時・2時・4時になると、その数だけ撞かれています。広い境内を歩いていると、時折ボ~ンと鐘の音が耳に届きますが、その音源は西円堂の近くからだったことを確認致します。

西円堂の年中行事としては「大般若転読」の他にも、節分2月3日の午後7時から催される西円堂鬼追式(追儺式)がよく知られています。

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