置いてけぼりの語源@御竹蔵跡

「置いてけぼり」という言葉がありますよね。

一緒に居た者を置き去りにすることを意味する日本語。約束の時間に遅れた者を、そのまま待つことなく先に行ってしまうことも意味しています。置き去りにされた側は、「置いてきぼりをくう」と表現します。この ”置いてきぼり” という言葉の由来を、東京都墨田区で発見することになりました。

御竹蔵跡

江戸幕府の御竹蔵跡

都営大江戸線両国駅を出て、清澄通りを少し北へ行くと御竹蔵(おたけぐら)跡があります。御竹蔵跡と言ってもそれらしきものは何もなく、今は日大一中・高の校舎ビルが建つのみです。柵の内側に案内板らしきものが見えています。

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本所七不思議に伝わる怪奇伝説

東京都墨田区(本所)に江戸時代から伝わる怪談話。

都市伝説の一つとして、落語噺のネタとしても語り継がれてきたのが本所(ほんじょ)七不思議です。七不思議の中の一つが、置いてけ堀というわけですね。私も小さい頃に、TVアニメの『まんが日本昔ばなし』で置いてけ堀のストーリーに出会いました。「置いてけ~置いてけ~」という身の毛もよだつ恐ろしい声が蘇ってきます。

置いてけ堀の案内板

両国物語として解説される「置いてけ堀・御竹蔵跡」。

この辺りには、幕府の資材置き場だった御竹蔵(おたけぐら)があり、その周りには掘割がありました。

ある日、町人がこのあたりの堀で釣りをしたところ、たくさん魚が獲れたので、気を良くして帰ろうとすると、堀の中から「置いてけ!」という怪しい声がしました。逃げるように家に帰って、恐る恐る魚籠(びく)をのぞくと、釣れた魚が一匹も入っていませんでした。

これが、本所七不思議の一つ、「置いてけ堀」の話です。話の内容や場所には諸説があり、置いてけ堀は「錦糸堀」との説もあります。作られたのは寛政年間(1789~1801)といわれ、七つ以上の話が伝えられています。

東京スカイツリー周辺の墨田区街歩きガイドにも、本所七不思議が案内されていました。

置いてけ堀の他にも狸囃子(馬鹿囃子)、片葉の葦、足洗い屋敷、送り提灯、送り拍子木、消えずの行灯(灯りなしの蕎麦)などの話がナビゲートされています。それぞれに簡単な説明が付いていて、大まかにストーリーを理解することができます。どれも怪談話としてはうってつけで、小さい子供に聞かせれば効果アリだろうなと思わせます(笑)

日本大学創立100周年記念

日本大学創立100周年記念のプレート。

日大一中・高の玄関前に取り付けられていました。全国一学生数の多い大学と言われる日大ですが、平成元年には創立百周年を迎えていたようです。

日大一中・日大一高のすぐ北側には第一ホテル両国があり、さらに道を挟んで北には横網町公園があります。江戸幕府の資材置き場であったという御竹蔵ですが、その範囲は実に広く、横網町公園から江戸東京博物館、さらには両国国技館までをも含む範囲であったと云います。

スカイツリーシャトルのバス停

御竹蔵跡の案内板から南に下って来ると、スカイツリーシャトルのバス停がありました。

ここ(両国・江戸東京博物館)から東京スカイツリータウンへとバスが出ています。徒歩でスカイツリーまで行けないこともありませんが、このバスに乗ればわずか10分足らずで東京スカイツリーへとアクセスします。スカイツリーシャトルは東京駅へも通じていますので、東京観光を楽しむ人にも大変便利な交通機関です。ちなみにスカイツリーシャトルはICOCAも利用可能ですよ。

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