国技館通りの力士像

JR両国駅から国技館通りを南へ下って来ると、道の両脇に計6体の力士像が見られます。

たまたま今回は1体のみの見学に終わってしまいましたが、次回両国を訪れる機会があれば、ゆっくりと国技館通りを往復してみたいと思います。

国技館通りの力士像

国技館通りの力士像。

雲龍型の横綱土俵入りですね。

土俵入りの型には雲龍型と不知火型があります。

大半の歴代横綱は雲龍型の土俵入りを披露しています。日本人横綱誕生が待ち望まれる中、モンゴル出身で無敵を誇る横綱白鳳は不知火型の土俵入りです。このブロンズ像が雲龍型なら、この通りのどこかに不知火型の土俵入りを模した力士像もあるはずですよね。

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歴代横綱の手形も見学

力士像の台座には歴代横綱の手形も見られます。

自分の手を横綱の手形に合わせ、その大きさに改めて感嘆の声を漏らします。こんな大きな手でまわしを掴まれたら、そりゃひとたまりもないだろうなと想像します(笑) 張り手を喰らうなんてとんでもありません。

国技館通りの力士像

腰を落としてせり上がるシーンが再現されています。

同じ姿勢を真似てみると分かりますが、案外キツイことが分かります。一般人も四股のポーズを毎日取っていたらダイエットできるのではないでしょうか。四股を踏むことは力士の基本ですが、一般人にとっても理に適った運動なのかもしれませんね。

国技館通りには、江東区亀戸にある亀戸天神社の幟旗が立っていました。

国技館通り

国技館通り。

この道を真っ直ぐ北へ進めば、JR総武線両国駅へと通じています。

力士像は両国駅と回向院を結ぶ国技館通りの両脇に建っています。JRの線路を超えると、その北東方向に大相撲の行われる両国国技館があります。年6場所の内、半分に当たる3場所が行われる会場です。

回向院山門

冒頭の力士像から、すぐ南側に佇む回向院山門。

石標には「諸宗山回向院参道」と刻まれます。この山門をくぐって参道を進むと、やがて左側に歴代相撲年寄の慰霊碑である力塚があります。今でも相撲関係者が参拝に訪れる、知る人ぞ知る相撲の拠所(よりどころ)です。

初代若乃花の手形

力士像の台座に初代若乃花の手形がありました。

「土俵の鬼」と怖れられた稀代の横綱です。

初代若乃花は、名大関・貴ノ花の実兄としても知られる横綱ですよね。私たちがよく知る横綱貴乃花は、貴ノ花の次男に当たります。相撲の血筋は花田家に脈々と受け継がれているようです。

栃錦の手形

こちらは横綱栃錦の手形。

心なしか指の先が少し曲がっているようにも見受けられます。激しい稽古の跡なのでしょうか。

若乃花と共に栃若時代を築き上げ、土俵の隆盛に一役買った名横綱です。マムシと渾名され、土俵の名人だったと言います。私の記憶の中では、土俵の下で目を光らせる「春日野理事長」として印象に残っています。

国技館通りの力士像

この力士像は、果たして誰をモチーフにしているのでしょうか。

今となっては、不知火型の力士像も写真に収めておけば良かったなと後悔しています。雲龍型とは違い、両手を広げてせり上がる不知火型にはスケールの大きさが感じられます。大型力士に好まれた型のようですが、白鳳の土俵入りも見ていて実に壮観で、「後の先(ごのせん)」をモットーとする白鳳らしい余裕を感じさせます。

朝潮の手形

こちらは横綱朝潮の手形です。

大阪場所に滅法強く、「大阪太郎」のニックネームで親しまれた横綱です。

東京スカイツリーから望む両国国技館

東京スカイツリーから望む両国国技館。

手前に大きなビルが3つ見えていますが、その右側に隠れるように両国国技館が垣間見えます。昭和59年(1984)に竣工した銅板葺きの建物です。

手前の三つの大きなビルですが、左側から江戸東京博物館、第一ホテル両国、NTTドコモ墨田ビルの並びです。国技館はドコモビルの右向こうに見えています。

国技館通りの力士像

相撲の歴史が今も息づく両国の街並み。

かつて勧進相撲の行われていた回向院と、モンゴル出身力士が大活躍する現代の両国国技館を結ぶ国技館通り。その通りの両脇に様々なポーズを取った力士像が建っています。力士像の脇には無造作に自転車が置かれていたりして、ちょっぴり残念な気もしますが、それもまた庶民との身近な距離を感じさせてくれます。

奈良県桜井市の相撲神社は相撲発祥の地と言われます。

国技館通りの力士像を見学して思ったことがあります。国道169号線から相撲神社へと上がって行く坂道沿いにも、筋骨隆々とした力士像が建っていれば観光客の期待も膨らむのではないでしょうか。桜井市の相撲神社でも、あの大鵬や柏戸が奉納土俵入りを行っているのです。

両国にも野見宿禰神社がありますが、桜井市にも野見宿禰ゆかりの地があります。国技である相撲を通じて、観光振興に役立つことは決して少なくないような気が致します。

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