誠心院の鈴成り輪

アーケード街の新京極通り。

たくさんのお店が軒を連ね、いつも賑やかな場所として知られます。その通りを北進していると、和泉式部が往生したという誓願寺の手前に誠心院(せいしんいん)というお寺がありました。真言宗泉涌寺派の寺院で、和泉式部が初代住職を務めたそうです。

誠心院

誠心院の山門。

平成9年に再興された新しい門のようです。軒丸瓦には誠心院の寺紋なのでしょうか、「丸に梅鉢」の紋が見られます。山門向かって右に目をやると、何やら不思議なものが置かれています。

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恋授け・知恵授けにご利益のある摩尼車

丸い形をしているものには縁起の良さが感じられます。

球形や円形は永遠につながっているのです。限界を飛び越えて、果てしなく広がる世界への入口に続いているのではないか、そう思わせる何かがあります。誠心院の門前で参拝客を出迎えていたのは、「鈴成り輪(すずなりぐるま)」という摩尼車に似たものでした。

誠心院の鈴成り輪

「お願いをしながら車を回して下さい」と案内されています。

この鈴成り輪を見て、とっさに四天王寺極楽門で回した転法輪のことを思い出しました。四天王寺の転法輪もご利益に通じていたのですが、鈴成り輪には知恵授けや恋授けのご利益があるようです。和泉式部の古い燈籠の竿と台座が再利用され、回すと意外にも高い音がします。ゴロゴロと重たい音がするのかと思いきや、まるで鈴の音でも聴いているようでした。鈴成り輪の名前の由来は、この音にあるのかもしれませんね。

そもそも摩尼(まに)とは、サンスクリット語maniの音写とされます。球、宝玉を意味し、そこから仏法にも例えられるようになりました。奈良県桜井市の談山神社参道にある摩尼輪塔はよく知られるところです。摩尼車はチベット仏教に用いられる仏具ですが、誠心院も密教系の真言宗に属していることから、”納得の体験スポット” になっているのかもしれません。

和泉式部像

江戸時代の和泉式部像。

誠心院は「和泉式部寺」と呼ばれるほど、和泉式部にゆかりの深いお寺です。

誠心院の鈴成り輪

梵字が刻まれていますね。

鈴成り輪を一回転させれば、経典を一回読誦したと同じ功徳が得られます。

数々の恋愛遍歴を重ねた和泉式部。恋愛の達人だったのかどうかは分かりませんが、恋授けにご利益があるとのことで、若い女性にも人気のスポットになっているようです。梵字で書かれているところがまた味噌なのかもしれませんね。意味を理解することができませんから、なお有難味も増すというものです。目に見えて具象化されていれば味気ないものになってしまいます。深遠な願いであればこそ、懐の深い神様仏様にすがりたいものなのでしょう。

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