春日大社砂ずりの藤&藤鳥居

毎年5月初旬のGWに見頃を迎えるという砂ずりの藤

春日大社の名物の一つになっていますが、遅ればせながら5月10日に訪れて参りました。

様々な種類の藤が開花する春日大社神苑の前を通り掛かった時、「遅咲きの藤が満開」との情報を得ました。砂ずりの藤が早咲きなのか遅咲きなのかは知らないのですが、まだ花が散っていることはないだろうと足を運びました。

春日大社砂ずりの藤

セーフ!

艶やかに藤棚から垂れ下がっていました。

砂ずりの藤は樹齢800年の古木で、花房が1m以上も垂れ下がることで知られます。地面に触れそうなことに因むネーミングですが、この日の藤の花はさほどでもありませんでした。

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剣先道から藤鳥居を経て砂ずりの藤へアクセス

春日大社二の鳥居をくぐり、伏鹿手水所を左手に見ながら参道を進みます。

いつもなら右手の表参道を通るのですが、今回は左手の剣先道を選びます。剣先道は参拝を終えた帰り道に使われることが多いのですが、たまには気分転換もいいものです。

春日大社砂ずりの藤と釣灯籠

砂ずりの藤と西回廊沿いの釣燈籠。

ここの釣燈籠も春日大社ならでは!絵になる光景ですね。

剣先道

剣状の剣先道(けんさきみち)

剣先の形をした敷石がこちらに向かっています。なんだか畏れ多いような・・・

春日大社の例祭・春日祭が執り行われる際、勅使が藤原氏である場合は、この剣先道を通って藤鳥居をくぐり、慶賀門から本殿へと進み出る習わしです。勅使が藤原氏でない場合は、右手の表参道を通って南門から本殿へ向かうというしきたりがあるようです。つまり、この二つの道は差別化されているわけですね。

藤原氏とは何の関係も無い私ごときが(笑)、とも思ったのですが、砂ずりの藤の見学にはうってつけではないでしょうか。藤原氏に藤鳥居、そして砂ずりの藤と全て ”藤尽くめ” です。

春日大社の萬葉植物園

剣先道の手前の春日大社神苑(萬葉植物園)。

藤の開花状況を案内する看板が立っていました。

春日大社の藤鳥居

こちらが剣先道の先にある藤鳥居

名前の由来は、かつて藤が絡まっていたことに因みます。

春日祭の勅使は、一見すると裏通りとも取れるこの道を参進するのですね。

春日大社の藤鳥居

藤鳥居の足元に注目です。

石段が丸く削られていました。やはり「鳥居が先」だったのでしょうか。鳥居を傷つけないよう、後世に石段が造られたことをにおわせます。

祈祷所途中の藤棚

慶賀門の手前から左方向に、祈祷所へと通じる石段が付けられていました。

ここにも藤棚が。

井桁に組まれた藤棚も、藤の花同様の美しさを醸しています。

春日大社の藤

上手から藤の花に近づいてみます。

目線近くで見る藤は、より一層の艶やかさです。

さぁ、いよいよ慶賀門を抜けて砂ずりの藤へと向かいます。

砂ずりの藤

こちらが、砂ずりの藤。

4月下旬から5月中旬にかけて見頃を迎えます。8年ほど前にもこの場所を訪れましたが、その時に比べると花の勢いも控えめでしょうか。古くより春日大社境内には藤が自生していたと伝わります。御神紋の下がり藤がそのことを雄弁に物語っています。

少し余談になりますが、家紋の世界では「上がり藤」よりも「下がり藤」の方が格上とされます。やはり藤は垂れ下がっている方が美しいということでしょうか。

春日大社舞殿と砂ずりの藤

砂ずりの藤と舞殿・幣殿。

砂ずりの藤のある場所は、南門を入ってすぐ左手です。

お守り授与所のすぐ斜め前に当たり、いつも多くの観光客で賑わっています。

砂ずりの藤と授与所

右手奥に見えているのが授与所です。

美しい藤の花は、品のある簪(かんざし)を思わせますね。

砂ずりの藤と絵馬

藤棚北側の絵馬掛け処。

奈良公園の鹿を模した可愛らしい絵馬がたくさん掛かっていました。格子戸の建物は直会殿ですね。

銘木砂ずりの藤

銘木「砂ずりの藤」。

藤棚の傍らの授与所には巫女さんの姿が見られました。

春日大社の巫女さんは「御巫(みかんこ)」と呼ばれていますが、藤かんざしで舞う神楽は実に美しいものです。

春日大社では例年、巫女の行儀作法や装束の着付を体験しながら、日本の伝統文化を学ぶ巫女修行コースが開催されています。お正月の巫女バイトだけでは物足りない方もいらっしゃることでしょう、是非「みかんこ」になり切って自身を磨いてみてはいかがでしょうか。

おみくじ結び処

なるほど、鹿がおみくじを食べちゃうのですね。

そのために、おみくじ結び処の位置が高く設定されていました。今日もここに来る途中、参道沿いで観光客のパンフレットを食べる鹿を見かけました。”紙の類” は鹿にちらつかせてはいけませんね。

春日大社砂ずりの藤

藤棚の下から見上げる藤も美しい!

整然と井桁に組まれた竹が、藤の美しさをより一層引き立てているように感じます。

砂ずりの藤の根元

幹と根元にも視線を落とします。

樹齢800年と言われるだけの歴史を感じさせますね。

この ”うねり” こそが陰に陽に砂ずりの藤を支え続けています。

砂ずりの藤

ふさふさに垂れ下がるといった趣ではありませんが、これもまたいいものです。

所々に隙間があって、たおやかでいながらも逞しい生命力に満ちています。

砂ずりの藤と授与所

5月5日の端午の節句には、萬葉植物園において南都楽所による「子供の日萬葉雅楽会」が催されました。

国の安泰と子供たちの無事成長が祈念される菖蒲祭と呼ばれる祭事です。新緑の春日の杜は、木々の萌える匂いに包まれ、いつも以上に神さぶる充実した ”氣” に満ちています。

砂ずりの藤

緑と紫、それに朱色と、それぞれの色の調和を楽しむことができます。

春日若宮おん祭のお渡り式に登場する「日の使」・・・その冠にも藤の造花が見られるそうです。何かにつけて藤の花と所縁のある春日大社です。12月のおん祭のシーズンには藤のことなど忘れてしまいがちですが、今年のお渡り式では日の使の冠にも注目してみたいと思います。

春日大社砂ずりの藤

観光客を惹きつけてやまない砂ずりの藤。

興福寺南円堂の藤も有名ですが、知名度では砂ずりの藤には及ばないでしょう。

砂ずりの藤と釣灯籠

おっ、こちらはまだ開花前ですね。

まだ蕾の状態の藤も見られました。

昨年の11月に、20年に1度の式年造替を終えたばかりの春日大社。

来年度の平成30年には、社殿が現在地に創建されてから1250年の節目を迎えます。春日大社の歴史の6割以上を共にしてきた砂ずりの藤は、さしずめ生き証人といったところではないでしょうか。

今年もあともう少し、砂ずりの藤を楽しむことが出来そうです。