相撲神社に祀られる野見宿禰

山の辺の道のルートから少し外れた東の山の手に、野見宿禰を祀る相撲神社が鎮座しています。

相撲の始祖とも言われる野見宿禰。その五輪塔が建つのは、伊勢街道沿いにある十二柱神社ですが、野見宿禰と当麻蹴速が天覧相撲を行った場所が穴師坐兵主神社の下手にある相撲神社と伝えられます。

勝利の聖 野見宿禰

「勝利之聖 野見宿禰」と記されています。

日本書紀によれば、垂仁天皇7年7月7日に天覧相撲が執り行われ、桜井市出雲出身の野見宿禰が勝利したと伝えられます。7の数字が3つ並ぶ、縁起のいいスリーセブンが国技発祥の記念日として刻まれます。

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手数入りが奉納された相撲神社

昭和37年(1962)10月6日には、相撲発祥の伝承地である相撲神社境内のカタヤケシに於いて、当時の時津風理事長を祭主に、大鵬、柏戸の両横綱以下全幕内力士が参列して手数入り(「てずいり」横綱の土俵入り)が奉納されています。

相撲神社の力士像と鳥居

相撲神社境内の力士像と鳥居。

鳥居をくぐってすぐ右手に力士像が奉納されていました。以前に相撲神社を訪れた時には見られなかった力士像。やはりインパクトがありますよね。

相撲神社本殿

こちらは本殿でしょうか。

鳥居を入って左上手に祀られていました。

相撲という言葉は、張り合ったり抵抗したりすることを意味する「争ふ(すまう)」に由来します。「争ふ」の連用形名詞が相撲(すまひ)というわけですね。歴史ある国技の相撲ということで、その言葉の成り立ちにも興味深いものがあります。

手数入り

案内板の中の、「手数入り(てずいり)」という言葉。

広辞苑を紐解けば、手数入りは「でずいり」と濁音で表現することもあるようです。「でず」はわざを意味し、手数入りとは横綱の土俵入りのことを言います。塵手水(ちりちょうず)、三段構え、四股から成る土俵入り。大相撲の世界でも、最も観客から注目を集める見せ場として知られます。

相撲神社鳥居

纒向遺跡を眼下に収める高台から、さらに坂道を上ると右手に相撲神社の鳥居が見えて参ります。

鳥居脇の石標には、祭神野見宿禰と刻まれているようです。

相撲神社の土俵

相撲神社の土俵。

神聖な土俵には結界が張られていました。

相撲神社土俵の紙垂

注連縄に紙垂が下がり、俗界と神界とが隔てられています。

土俵の四本柱の内側のことをカタヤケシと言うわけですが、その真ん中に盛り土が見えます。漢字で書けば、「方屋家司」、「方屋敷き」など諸説紛々としています。地元にはカタヤケシという字名も残されていて、この辺りでは聞き慣れた言葉のようです。

勝利の聖 野見宿禰

勝者の野見宿禰。

ややもすれば、敗者の当麻蹴速の方にスポットライトが当たりがちではありましたが、これで少しは野見宿禰の名前も世に広まっていくでしょうか。当麻寺の近くには、けはや塚や葛城市相撲館「けはや座」などがあり、相撲の歴史を今に伝えています。

東の山の辺の道と、西の葛城古道。

奈良を代表する古道沿いに、それぞれ相撲の歴史を今に伝える伝承地が存在しています。

相撲神社の案内板

我が国初の天覧相撲の後、皇極天皇元年(642)には、宮中において百済からの使者をもてなすために相撲が行われました。

聖武天皇の時代にも宮中の庭で相撲が取られ、さらに平安時代には相撲節会(すまいのせちえ)として定着していくようになります。相撲節会とは宮中の年中行事の一つで、毎年陰暦7月26、27、28日の3日間にわたって、諸国から召し出された相撲人が天皇の御前で相撲を取ったと言い伝えられます。

相撲神社本殿

現在の大相撲界は白鳳、日馬富士、鶴竜のモンゴル人横綱が鎬を削る時代です。

かねてから期待される稀勢の里に、若手のホープとして人気の高い遠藤。日本人横綱の誕生を夢見る今の世の中を誰が想像したでしょうか。

相撲神社力士像と土俵

力士像の向こうに土俵が見えます。

私も小学生時代、桜井市の相撲大会に出場した経験があります(笑)試合会場は芝運動公園の土俵だったわけですが、当時から相撲神社境内にちゃんとした土俵が整備されていれば、どんなにか良かっただろうと回想しています。

相撲神社の土俵

輪島と北の湖、千代の富士と隆の里、貴乃花と曙。

強い横綱同士の取組を楽しみにしていた大相撲ファンは多いことでしょう。往年のライバルとして名高い、あの大鵬と柏戸が土俵入りを奉納した相撲神社。相撲ファンなら一度は訪れておきたい名所の一つです。

相撲神社参拝案内

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相撲発祥の地 相撲神社

住所:奈良県桜井市大字穴師


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拝観料:無料

駐車場:無し(穴師坐兵主神社の無料駐車場から徒歩すぐ)

アクセス:JR万葉まほろば線巻向駅から徒歩25分、檜原神社から徒歩20分(1.5㎞)