飛鳥の弥勒石

飛鳥の弥勒石

飛鳥の弥勒石

飛鳥寺の南に広がる一帯を真神原といいます。
真神原の風景は朝鮮半島の慶州に似ている・・・
「百寺巡礼」の中で五木寛之氏がおっしゃっています。

飛鳥を形容する言葉に、”日本の原風景”というフレーズがよく出てきます。日本の原風景であると同時に、大陸の匂いも感じさせる懐かしい風景なのです。
その真神原の西を流れる飛鳥川。
万葉集にも数多く詠まれた飛鳥川の右岸に弥勒石は佇みます。

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足腰の病にご利益のある弥勒石

弥勒石の草履

弥勒石の周りには草鞋が掛けられていました。

観音信仰のお寺でよく目にする光景ですよね。
弥勒石にも巡礼に訪れる人がいるのでしょうか?

弥勒石は地元の人から「ミロクさん」と親しみを込めて呼ばれています。
下半身の病気が治るという言い伝えがあるそうです。
足腰が弱ってくると、ミロクさんにすがるのでしょうね。

弥勒石の休憩所

弥勒石の休憩所。
弥勒石の脇には小さな休憩所が設けられています。

コの字形のベンチの真ん中に石が埋め込まれています。
この石の上に足を載せると良いようです。

飛鳥にある謎の石造物の中でも、弥勒石はあまり知られていませんよね。

弥勒といえば弥勒菩薩を思い浮かべますが、弥勒石はあくまでも石であって仏像ではありません。
弥勒菩薩像は釈迦如来の次に如来になると約束されている未来仏です。

兜率天(とそつてん)という処で修業をしながら、人々の救済のために働いている菩薩が弥勒菩薩です。
飛鳥の弥勒石も、人々の足の病気を治しながら修業を続けていらっしゃるのでしょうか。

人々の救済のために働く。

働くとは、傍(はた)を楽にすることだと聞いたことがあります。
弥勒石の周りに吊るされた草鞋が救済の現実を物語っています・・・。

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