金銅製靴@斑鳩文化財センター

藤ノ木古墳をあらゆる角度から見学できる施設があります。

平成22年3月20日に開館した、法隆寺の南西方向にある斑鳩文化財センター。基本的に観覧料も無料に設定されており、年末年始や休館日の水曜日を除いて、ほぼ毎日藤ノ木古墳に親しむことができます。古代史ファンにとっては必見の文化施設です。

藤ノ木古墳と金銅製靴

藤ノ木古墳と金銅製靴の説明板。

藤ノ木古墳から出土したことで知られる金銅製靴。石棺内から出土した二組の金銅製靴ですが、私は以前に橿原考古学研究所附属博物館に於いて見学したことがあります。斑鳩文化財センターに展示されている金銅製靴はレプリカですが、橿原考古学研究所附属博物館に展示されている金銅製靴は本物でした。

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金銅製靴は Gilt bronze shoe

斑鳩文化財センターの入口で、館内案内のボランティアの方から英語ビラを頂きました。

そこには白黒の金銅製靴の写真と共に、Gilt bronze shoe の英語表記が見られます。家に帰って英和辞典を調べてみると、gilt とは [gild(~に金めっきをする、金箔を貼る)] の過去・過去分詞形であることが分かります。用法としては、a gilt frame で金縁(きんぶち)を意味します。

往時は煌びやかな靴であったことが想像されますね。

斑鳩文化財センターの金銅製靴

斑鳩文化財センターに展示されているレプリカの金銅製靴。

下に鏡が付いていて、靴の裏側も見学することが出来ます。何やらひらひらした物が付いているのですが、これでは歩くことができません。実用性よりも装飾性に重きを置いた靴であることが推測されます。靴全体に見られるヒラヒラした物は一体何なのか?

ねじった針金の先に、円形や魚形(さかながた)の金具を取り付けた「歩揺(ほよう)」

というふうに説明されています。

歩揺(ほよう)。初めて聞く言葉ですが、この歩搖によって「歩く」という実用性には乏しい靴であることが分かります。今でも謎に包まれる藤ノ木古墳の被葬者ですが、この靴は被葬者の死と共に埋葬された副葬品なのか、あるいは身分の高い人が儀式などで椅子に座ったまま履いていたものなのか、今となっては知る由もありません。

法隆寺伽藍

藤ノ木古墳や斑鳩文化財センターからも徒歩圏内にある法隆寺。

世界中から観光客が押し寄せる法隆寺。その法隆寺の目と鼻の先に、国宝や重要文化財に指定される数多くの出土品で知られる藤ノ木古墳があります。

斑鳩文化財センター

斑鳩文化財センターの開館時間は、午前9時から午後5時までです。

無料駐車場もわずか6台分ではありますが、建物の前に完備されています。

入館は午後4時30分までになっていますが、法隆寺参拝の後に立ち寄っても十分に時間的余裕があるものと思われます。

東京オリンピックに向けて、益々の外国人観光客の増加が見込まれる我が国日本。クレジットカードをはじめとする受け入れ態勢の整備が急がれます。各地方自治体においても、それぞれの観光資源を案内する外国語のパンフレット作りが進められています。

基本となる言語はやはり英語です。

しかしながら、島国という立地上の問題からか、私たち日本人は英語が苦手です。

外国人観光客の積極的な誘致を進めていくには、そうも言っておれないのが現状です。少しずつで構わないから、英語に親しんでいくことが大切なのではないでしょうか。

斑鳩文化財センターの英語ビラには、以下のように金銅製靴が紹介されています。

Two pairs of gilt bronze shoes were excavated from the stone coffin of the Fujinoki Tumulus.

excavate は「~を発掘する」という他動詞です。要するに dig up を意味する言葉で、遺跡や発掘物などの名詞形は excavation となります。coffin は棺を意味する名詞です。魂が受け継がれていく棺の意味は以前にもご紹介致しましたが、藤ノ木古墳の被葬者の霊魂も、一旦は石棺の中に納められたものの、その霊性は永遠に続いているのかもしれません。

龍田神社

斑鳩文化財センターから、さらに南西方向に鎮座する龍田神社。

境内に金剛流発祥の地碑が見られる古社です。

国史跡の藤ノ木古墳のガイダンス機能を有する斑鳩文化財センターは、斑鳩町長の歩みとも重なります。現町長が就任されてから藤ノ木古墳の発掘作業が段階的に進められ、馬具をはじめとする様々な出土品で話題をさらって参りました。斑鳩文化財センター内には映像ホールや図書コーナーなどもあり、様々な角度から藤ノ木古墳を体験することができます。