藤原宮跡の菜の花と大和三山

藤原宮跡の醍醐池北側に広がる菜の花畑。

藤原宮跡のお花畑はつとに有名で、夏の蓮や秋のコスモスは既に堪能させて頂きました。春に咲き誇るという桜や菜の花はまだ見たことがなかったのですが、今回初めて訪れてみることに致しました。

藤原宮跡の桜と菜の花

藤原宮跡の葉桜と菜の花。

私が訪れた4月14日は既に桜が終わっていました。所々にまだピンク色の花を咲かせる木もありましたが、ほとんどの桜が葉桜の状況でした。しかしながら、お目当ての菜の花はちょうど満開で見頃を迎えていました。

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耳成山を背景に咲く枝垂桜と菜の花畑

今回の藤原宮跡訪問で最も印象に残ったのが、枝垂桜の背後に広がる菜の花畑と耳成山の風景です。

一面の菜の花畑は実に圧巻で、25,000㎡の敷地内に250万本の菜の花が咲いています。これだけの菜の花畑はそうお目にかかれるものではありません。その年の開花状況にもよると思われますが、桜と菜の花の競演は一見の価値があります。

フォトウェディングのロケ地としても人気なのが頷けますね。

藤原宮跡の桜と菜の花

まだ咲き残っていた桜と菜の花。

ここは大和三山をはじめとする山々に囲まれた名勝の地です。色鮮やかに咲く花の向こうには山が見え、その美しさを倍増させます。

耳成山と菜の花

醍醐池を背にして撮影。

桜の枝が菜の花畑に覆い被さるように伸び、その向こうに耳成山を望みます。

葉桜と菜の花

葉桜がお行儀よく並んでいます(笑)

菜の花の黄色は見ているだけでも元気が出てきますよね。それもそのはず、菜の花の花言葉は「快活」なんです。藤原宮跡の菜の花畑の面積は、甲子園球場のグラウンドの約2倍もの広さに相当します。これだけの菜の花を目の当たりにすれば、誰でも元気になるというものですね。

藤原宮跡の枝垂桜

見事に枝垂れています。

桜が満開の頃は、きっと桜のトンネルの下をくぐりながら菜の花が楽しめるんでしょうね。藤原宮跡の菜の花の見頃は4月上旬~中旬とされます。桜と菜の花の ”のりしろ” が合わさる時期は、4月上旬になるものと思われます。

圧巻の光景を楽しみたい方は、是非タイミングを見計らって訪れてみて下さい。公式HPでも、菜の花の開花状況が更新されていますのでチェックしておきましょう。

藤原宮跡の枝垂桜

桜の花は散ってしまった後ですが、何とも風情の感じられる光景です。

葉桜になった分、その向こうの菜の花と耳成山は見えやすくなっているのかもしれませんね。

葉桜と菜の花

青々とした桜の葉っぱ。

見ているだけでも、なんだか香ってきそうです。桜餅を思い出してしまいますね。

耳成山と菜の花

醍醐池を背に、この階段を下りて菜の花畑の中へと入って行きます。

広大な面積を誇る菜の花畑ですが、ちょうどこの畔道で東西に分かれているようです。向かって右側(東側)の菜の花の方が少し背丈が高かったような気がします。ちなみに東西に分かれているだけではなく、南北にも分かれていました。

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醍醐池の桜見物は来年以降の楽しみ

醍醐池の周りには見事な桜並木が続いています。

菜の花畑よりも一段高い場所にあることから、黄色い絨毯(じゅうたん)を見下ろしながら楽しむことができます。

醍醐池畔の桜並木

醍醐池畔の桜並木。

うねりながら伸びる桜の木からは、萌え出ずる春のエネルギーが感じられます。

桜と醍醐池

醍醐池畔に咲く桜。

歴史を遡れば、醍醐池には数多くの人々が埋葬されてきたと伝わります。醍醐池の北西隅には供養塔があり、その脇に歴史を物語る石碑が建てられています。醍醐池周囲の桜並木がいつ植えられたのか定かではありませんが、辿って来た歴史に想いを馳せれば桜にも何かの意味が感じられますね。

醍醐池桜見物の看板

池の外周にはフェンスが張り巡らされています。

花見客への注意喚起が行われています。「醍醐池桜見物をなさる方はゴミの投棄は一切しないで下さい」・・・くれぐれも桜見物のマナーは守るように致しましょう。

醍醐池脇のベンチ

池の脇にはベンチも置かれています。

ここに座って北の方向に目をやると、菜の花畑と耳成山を望むことができます。

醍醐池脇の観音像

こちらが供養塔ですね。

あ~、それにしても桜が満開の頃に訪れたかったですね。

4月上旬といえば、毎年仕事が多忙を極める時節柄です。外出がままならない期間だけに、桜と菜の花の競演を満喫するのは難しいのかもしれませんが、それでもやはりこの目で見てみたいですね。ここは間違いなく、そう思わせてくれる場所です。

当館大正楼からも車で10分余りのアクセスです。

来年は少しの空き時間でも見つけて、軽いフットワークで訪れてみようと思います。

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藤原宮跡駐車場から春ゾーン遊歩道へ

私が藤原宮跡を訪れる交通手段はいつも車です。

近鉄耳成駅やJR香久山駅が最寄駅とはいえ、歩くと遠いのが実情です。藤原宮跡の駐車場は無料ですし、いつでも気軽に利用することができます。藤原宮跡の周囲には数箇所の駐車場が用意されています。その中心となる駐車場は藤原京資料室横の駐車場ですが、今回はおふさ観音へと通じる大和長寿道沿いの駐車場に車を停めました。

藤原宮跡の駐車場

17時閉門のようです。

駐車場の利用時間は午前8時30分から午後5時までと案内されています。夕方近くに菜の花を見に行く人は注意が必要ですね。ついうっかり、車を出せなくなるなんてことにもなりかねません。

藤原宮跡駐車場と藤原京資料室

こちらは藤原京資料室横の駐車場。

バス専用のスペースも設けられており、駐車台数は普通車30台・バス2台となっています。藤原京資料室は見学無料で、藤原京千分の一模型が楽しめる学習施設です。藤原宮大極殿跡に最も近い資料室として、数多くの観光客が訪れる場所として知られます。

藤原京資料室は平成18年10月にオープンしています。

世界遺産登録を目指す「飛鳥・藤原の宮都とその関連資産群」の構成資産のひとつ、「特別史跡藤原宮跡」をより深く理解して頂くことを目的に造られた資料室です。

藤原宮跡の駐車場

駐車場のすぐ横には民家が建っているためか、前進駐車が推奨されていました。

遥か彼方に大和三山の畝傍山を望む立地です。

藤原京資料室

橿原市藤原京資料室の入口。

資料室はJAならけん橿原東部経済センターの2階にあります。

資料室には何度か見学に訪れたことがありましたので、今回は中には入らず菜の花見物のために醍醐池北エリアを目指します。

春ゾーン遊歩道

信号のある交差点を渡って「春ゾーン遊歩道」へと進み出ます。

遊歩道の右側にも桜並木が続いていて、前方左側に視線を移すと黄色い菜の花絨毯が視界に入ってきました。

三輪山と菜の花

菜の花畑の手前には桜の花も咲いています。

遥か北東方向には、神の山と仰がれる三輪山が見えていますね。

藤原宮跡の菜の花

ここが藤原宮跡の春ゾーンです!

菜の花をよく観察してみると、一つ一つの花が十字形をしているのが分かりますね。アブラナ科特有の形状のようです。一面の菜の花畑はどこまでも、どこまでも、見渡す限りに続いています。

三輪山と菜の花

終わりかけの桜と春を謳歌する菜の花。

対照的な状況で、春を代表する二つの花が出迎えてくれます。

菜の花畑の畦道

菜の花畑の西側を北へ進みます。

北上する延長線上に見えているのは耳成山です。あらゆる角度から大和三山が視界に入ってきますね。この場所を都と定めた天武・持統天皇の想いが重なります。

菜の花畑

東の方向を見ます。

ちょうどこの辺りが、広大な菜の花畑を南北に分かつライン上でしょうか。

たんぽぽと菜の花

菜の花畑の北西隅にはタンポポの姿も見られました。

まさしく春爛漫の藤原宮跡です。

醍醐町自治会企業会寄贈

ここにも桜が植えられていました。

醍醐町自治会企業会寄贈と記されています。植樹されたのは3年前のようですね。まだまだこれから大きく成長して、見物客の目を楽しませてくれることでしょう。

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菜の花と桃の花が彩る畝傍山

大和三山の中でもその姿が美しい畝傍山。

肩を傾げたような独特な山容が印象に残る山です。期待を裏切ることはなく、藤原宮跡の菜の花は畝傍山を背景に捉えることもできます。

畝傍山と菜の花

畝傍山を背景に咲く菜の花。

その周りには桜の木も植樹され、近い将来には見事な風景が広がるものと思われます。

藤原宮跡の菜の花

畝傍山を右後方にして塗装された道を進みます。

右前方には大和三山の一角を占める天香具山が佇んでいるのですが、いつものことながら香具山だけはあまり写真映りがよくありません(笑) 天から降って来た伝説の山ではありますが、なかなか「山」と判別しにくい山容です。

菜の花と畝傍山

その点、畝傍山は絵になりますね。

菜の花とのコントラストも実に見事です。

畝傍山と菜の花畑

初代神武天皇を祀る橿原神宮を懐に抱く畝傍山。

昨秋には本殿参拝を体験させてもらった橿原神宮ですが、藤原宮跡とも目と鼻の先です。さすがに徒歩で向かうには無理がありますが、車でアクセスする分には十分にお薦めの観光スポットです。

ペットボトルと菜の花

一般住民の畑がすぐ近くに迫ります。

こうやって菜の花畑の周りを歩いているだけでも、ちょっとした運動になります。

畝傍山と桃の花

おっ、これは桃の花でしょうか。

目線よりも低い位置にたくさんの花を付けていました。

桃の花と菜の花

桃の花といえば、檜原神社から箸墓古墳へと下りて行く坂道沿いがひとつの名所になっていますよね。

三輪山と菜の花畑

望遠レンズにして三輪山を捉えます。

背後の山が重なり、はっきりとは三輪山の美しい山容が確認できませんが、それでも見る者を釘付けにする山であることに変わりはありません。私は毎日、様々な角度から三輪山を眺めていますので、どこからでも三輪山を判別する自信があります(笑)

耳成山と菜の花

菜の花畑の北東隅を曲がって、耳成山を望みます。

カーブする道も相まって、どこか絵になる光景ですね。

菜の花の葉

菜の花の茎と葉っぱ。

鮮やかな花にばかり目が行きがちですが、その足元にも目を向けてみます。なんだかブロッコリーを連想させる出で立ちです。

耳成山と桜

こちらは菜の花畑の南東隅。

ようやくこの辺りから枝垂れる桜が見られます。

耳成山と枝垂桜

いいですね、この感じ。

中国の都城制に倣い、本格的な都市計画の元に造営された藤原宮跡。ここは古代日本の政治経済の中心地でした。

藤原京の中には、天皇が住む内裏をはじめ、政治や儀式を行う大極殿と朝堂院などもありました。菜の花が咲いているこの場所は、昔の皇居に当たる場所とされます。皇居跡に開花する菜の花・・・そう思うと益々ロマンが広がっていきますね。

藤原宮跡の桜

ただただ、広いだけではありません。

その広さを活かして余りある花々が、私たちの目を楽しませてくれます。

毎年ほぼ決まった時期に桜、菜の花、蓮、キバナコスモス、コスモスなどが咲き乱れ、いにしえの栄華を今に蘇らせています。さぁ、あなたも藤原宮跡のお花畑へ出掛けてみましょう!

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