壁画体験館オープン前!キトラ古墳周辺地区を散策

国営飛鳥歴史公園もどんどん広がりを見せていますね。

平成28年秋に開園したキトラ古墳周辺地区。話題の中心はキトラ古墳壁画体験館「四神の館」ですが、9月24日(土)のオープン前に公園内を散策して参りました。長い間工事中だったキトラ古墳ですが、いよいよそのベールが脱がされます。

キトラ古墳周辺地区

キトラ古墳周辺地区。

下手にはキトラ古墳へと通じる道路・平田阿部山線が走っています。

遥か東方には稲渕地区へとアクセスする道も見えています。彼岸花や案山子イベントで毎秋賑わいを見せる稲渕ですが、今後はキトラ古墳周辺地区からも目が離せませんね。四神の広場をはじめ、キトラの田んぼ、農体験小屋、五穀の畑、体験工房、檜隅寺跡前休憩案内所なども既に整備されており、着実に準備は進んでいるようでした。

キトラの田んぼで愛でる古代稲「神丹穂」
稲穂が赤く実っていました。 場所は国営飛鳥歴史公園内の「キトラの田んぼ」。農体験小屋の下手に広がるエリアで、古代米の神丹穂(かんにほ;赤米)が栽培されています。9月に入り、そろそろ秋の気配も感じられるようになって参りました。 キトラの田んぼ...

スポンサーリンク

明日香村近隣公園から望むマルコ山古墳

果たしてオープン前に見学することは出来るのだろうか?

一抹の不安を抱えながら向かったキトラ古墳周辺地区でしたが、所々に立入禁止の区域はあったものの、大体の概要は理解することができました。さすがに駐車場はまだ開放されておらず、お隣の明日香村近隣公園の駐車場に車を停めて見学しました。

キトラ古墳周辺地区のスライドショー動画です。

心臓部とも言える四神の館本館、別館、古墳鑑賞広場などへは足を運ぶことができませんでした。あくまでも周辺散策ではありますが、これから訪れる方々の参考になればと思います。

明日香村近隣公園

明日香村近隣公園の滑り台。

キトラ古墳周辺地区の北西方向には公園がありました。遊具の他にも、グラウンド(野球場)やテニスコートなどが完備されています。へぇ~、こんな場所があったのかと少し驚きです。

明日香村近隣公園

綺麗に整備された公園です。

滑り台の上手の丘陵は展望台にもなっていて、遥か遠くを見渡すことができます。

マルコ山古墳

あれはおそらくマルコ山古墳でしょう。

マルコ山古墳は明日香村真弓にある六角形墳です。見晴らしの良い場所だけに、はっきりとその墳丘を視界に捉えることができます。左側を見下ろせば、広いグラウンド全体が見渡せます。野球の試合に例えるなら、間違いなくここはレフトスタンド・外野席です(笑)

明日香村近隣公園

キトラ古墳周辺地区のすぐ隣りに、憩いの場所が用意されているとは。

子連れでおでかけする際にも、暇つぶしにいいかもしれませんね。

ちょっとした間をつなぐには、おすすめできるエリアだと思われます。

スポンサーリンク

地中保存されている古代工房と檜隅寺跡

キトラ古墳周辺地区を語る上において、檜隅寺跡(ひのくまでらあと)を外すわけには参りません。

史跡指定区域にもなっている檜隅寺跡は於美阿志(おみあし)神社の神域でもあります。今は明治40年(1907)に移された於美阿志神社の境内になっていますが、東漢(やまとのあや)一族の氏寺とされる寺院跡として知られます。

於美阿志神社(檜隅寺跡)

於美阿志神社境内に彼岸花が咲いていました。

キトラ古墳周辺地区の第2駐車場に車を停めたなら、まずはこの神社にお詣りしてからキトラ古墳を目指すといいでしょう。ルート上にある史跡ですから、ついでに見学されることをおすすめします。

重要文化財に指定される檜隅寺跡の十三重石塔は必見です。

ちなみに第1駐車場は、南方の四神の館近くにあります。

体験工房

檜隅寺跡を通過して南へ進むと、「体験工房」がありました。

物作りにチャレンジできる工房で、古代飛鳥の技術を題材としたプログラムを体験することができます。

有畦式平窯

地中に眠る古代の工房。

少し来た道を戻って、檜隅寺跡前休憩案内所の下手を歩いていると、写真付きの解説パネルのようなものが置かれていました。道を挟んで第2駐車場のすぐ上手です。

時を遡ること平安時代後期に、檜隅寺は講堂基壇の補修工事を行ったようです。その推測を裏付ける瓦窯の発見があったことが解説されています。

有畦式平窯

この丘陵の斜面で檜隅寺に関連するとみられる瓦窯が初めて発見されました。

瓦窯は奈良時代の8世紀後半以降に一般化する有畦式平窯(ゆうけいしきひらがま)で、平安時代に檜隅寺を補修するためにつくられたものであったと考えられます。現在は遺構を砂で保護して、地中に現地保存されています。

明日香村では、新たに地面を掘る場合は必ず埋蔵文化財の調査を行うことになっています。国営公園の整備にあたっても、事前に調査を行い、発見した遺構はこの瓦窯のように砂で保護して土で埋め戻し、「地中保存」をしています。みなさんが歩く場所の足元には、千数百年前の遺構が眠っているのです。

地中保存される明日香村の遺構。

埋め戻された遺構は、これから先もずっとこの地に眠り続けることでしょう。

キトラ古墳周辺地区

休憩案内所の横には大きな石が置かれていました。

これはおそらく石のベンチでしょうね。

四神の広場

四神の広場を望遠レンズで撮影。

キトラ古墳周辺地区では最も広い芝生広場です。イベント会場としても利用されるようですが、普段はお弁当を広げたりして寛いだ時間を過ごします。広場の向こうに見えている建物は四神の館別館ですね。

原寸大に再現されたキトラ古墳石室模型、古墳壁画の世界に浸れる四面マルチ高精細映像、期間限定で公開されるキトラ古墳壁画実物等々、見所満載の「四神の館」・・・近い内に私も是非、実物の四神壁画を見学してみたいと思います。

タイトルとURLをコピーしました