新緑が映える談山神社東大門

歴史ある談山神社の面影を今に伝える東大門。

めでたく修理工事も竣工し、談山神社の玄関口として観光客を出迎えていました。

談山神社の東門と言っても、ご存知でない方も多いかもしれません。大半の参拝客が車やバスでアクセスする山上鎮座の神社です。徒歩で参道を上って行かない限り、なかなかお目にかかれない門なのかもしれません。

談山神社東大門

無事に修理落慶を終えた談山神社の東大門。

ここから参道を上って行くと、摩尼輪塔や後醍醐天皇寄進の石燈籠を通って境内へと続いています。東大門のある場所は、寺川に架かる屋形橋のすぐ上手に当たります。

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初夏の紫陽花と東大門の風景

談山神社東大門は、享和3年(1803)建立の城郭風門で県指定文化財にもなっています。

本瓦葺きの建造物で、左右には木柵が設けられています。門の中央は板扉で、南側の袖はくぐり戸に設計されています。傷みが進んでいたため、平成26年7月より全解体修理が施されました。平成27年度末に無事竣工し、往時の威容を取り戻しています。

紫陽花と談山神社東大門

東大門と紫陽花の風景。

上手の参道から子連れの参拝客が下りて来るのが見えます。

紅葉の美しさで知られる談山神社ですが、紅葉の名所は新緑も見栄えがするものです。

談山神社は只今、観音講まつりと題するイベントの期間中です。

6月1日から7月31日までの2カ月間に渡って秘仏・談峯如意輪観音像が特別公開されています。紫陽花の見頃とも重なり、境内には初夏を楽しむ参拝客の声が木霊していました。

紫陽花と談山神社東大門

色とりどりの紫陽花が東大門を彩ります。

新緑も相まって美しい光景なのですが、奥方の電線がちょっと気になりますね(笑) 他の観光地では、電線の地中化工事の話も聞かれます。観光立国を目指して邁進する我が国日本。外国人観光客の誘致は国策として進められているわけですが、電線の問題はなかなか思うように進んでいないように見受けられます。

インバウンド先進国のフランスでは、おそらく考えられないような光景だと思われます。

談山神社東大門の瓦屋根

談山神社の社紋「上り藤」を刻む軒丸瓦。

波頭のような瓦が天へと向かいます。

談山神社東大門と紫陽花

少し目障りなものも写ってはいますが、歴史ある建物の価値は揺らぐことがありません。

この東大門は、旧妙楽寺護国院の惣門として創建されたそうです。

廃仏毀釈の嵐の中、談山神社は ”神社” としての道を歩むことになりました・・・かつては妙楽寺と呼ばれていたことからも、談山神社はお寺であったことが分かります。

談山神社には藤原鎌足が祀られています。

鎌足の長男・定慧(じょうえ)と次男・不比等が、父の墓所を摂津国阿威山から多武峰に改葬したのが歴史の始まりです。十三重塔婆と講堂を建立して妙楽寺と称し、後の大宝元年(701)には方三丈の神殿を建てて鎌足の像を安置したと伝えられます。

平成の大修理を終えた高麗門

談山神社は東門だけではなく、上手の方にはかつて西門もありました。

今もその西門跡が残されており、傍らの石仏にその名残を見ることができます。山深い場所に鎮座する談山神社らしく、東門と西門の高低差は相当あるものと思われます。

別格官幣社談山神社

談山神社の石号標。

「別格官幣社談山神社」と刻まれています。東大門前の緑が綺麗ですね。

東大門修理落慶

落慶を奉祝する立看板がありました。

門の正面には石が置かれており、車の出入りが出来ないようになっています。

談山神社東大門

東大門の裏側。

両側に張り出した造りになっていますね。

どうやらこれが「高麗門」と呼ばれる特徴のようです。

東大門の扉の間口は4.65mあります。扉の上の切妻屋根に加え、左右には直角に張り出した二つの小屋根を設けています。ちょうどこれを上から見ると、屋根がコの字状に見えるそうです。高麗門と呼ばれる建築様式であり、江戸城桜田門などにも見られます。通常は城郭に使われる門とされ、寺社には珍しいスタイルとされます。

談山神社東大門の修理

修理跡なのでしょうか。

巧みな技術で修理が施されていますね。

談山神社東大門の修理

文化財保護のために携わる人たちのご苦労を思います。

長い歴史の中で繰り返される細やかな作業の連続が、後世に貴重な文化財を残していくことになります。

やはりこの辺りは落葉が多いのでしょうね。屋根に堆積した落葉が雨漏りを引き起こしていたそうです。私たち人間もそうですが、建築物にとっても自然との調和は一筋縄ではいかないようです。

新緑と談山神社東大門

秋の紅葉シーズンにも訪れてみたいと思わせる一枚ですね。

6月30日の午後3時からは中臣大祓式が執り行われます。

古代から続く除災のまつりとのことですが、全国各地の神社で見られる夏越の大祓に準じた祭事ではないかと思われます。藤原鎌足はその生前、中臣姓を名乗っていたことはよく知られます。談山神社では茅の輪も登場するのでしょうか?私が訪れた6月下旬には、まだ境内に茅の輪は見られませんでした。神社によっては茅の輪くぐりの無い大祓式も行われるようです。確か橿原神宮がそうでしたよね。

談山神社の駐車場から境内へ入るのが一般的なルートです。でも、ちょっと目先を変えてみても面白いかもしれません。今回新たに生まれ変わった東大門から談山神社にお参りしてみるのもオススメです。

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