重源上人坐像特別公開@東大寺俊乗堂

東大寺における鎌倉時代復興の祖と仰がれる重源上人。

7月の一箇月間、重源上人坐像を安置する「俊乗堂」並びに「大湯屋」「東大寺大仏縁起絵巻」が特別公開されています。東大寺大湯屋初公開のニュースを聞きつけ足を運びましたが、やはりイベントの主役は国宝重源上人坐像なのかもしれません。

東大寺俊乗堂

東大寺俊乗堂。

重源上人坐像を安置するお堂です。元禄年間に公慶上人が重源上人の遺徳を讃えて建立しています。場所は大仏殿の東の丘に当り、鐘楼があることから鐘楼ヶ丘と呼ばれています。私は今まで、行基菩薩像や良弁僧正像を拝観したことはあります。ところが、まだ俊乗堂の中に入ったことがありませんでした。記念すべき初拝観となります。

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即身仏を思わせる東大寺の国宝

東に放たれた俊乗堂の扉から中に入り、南向き安置の重源上人坐像を拝ませて頂きました。

まるで血が通っているかのような生々しいお姿をなさっています。一瞬頭の中をミイラがよぎりましたが、一流仏師による作品であることを聞かされます。

檜材の一木で彫られ、頭と手が部分的に差し込まれているようです。最新技術のLEDで照らされた尊顔には彩色が施され、色艶の良さを感じさせます。東大寺再興を期し、造東大寺の大勧進職に任ぜられたのは60歳を過ぎてからだと言います。その後十数年の歳月をかけて成し遂げた偉業は今も語り草になっています。

重源上人坐像特別公開リーフレット

世界遺産東大寺特別企画のリーフレット。

重源上人坐像を拝ませて頂いた後、奈良県庁のエントランスホールでその余韻に浸ります。

東大寺南大門

東大寺南大門。

ご存知、仁王像が両脇に立つ東大寺の玄関口ですね。

季節や曜日に関係なく、南大門前はいつも観光客でごった返しています。南大門の中にも、今回の特別公開を案内する看板が立っていました。

重源上人坐像

数珠を持つ手もリアルですね。

お年を召された重源上人の像ですが、不思議と生気がみなぎっています。

最新技術のLED照明には、文化財に悪影響を及ぼす紫外線や熱の心配がありません。そのため、明度を上げることができます。これだけ重源上人坐像を明るく見せることが出来るのも、LEDのお陰なんだそうです。未だかつてない輪郭で、拝観者の前にその姿を浮かび上がらせます。

東大寺特別公開

特別公開の案内文。

公慶上人が、重源上人の遺徳を讃えて建立した「俊乗堂」。重源上人坐像(国宝)と、阿弥陀如来立像、愛染明王坐像(いずれも重要文化財)が安置されており、通常は7月5日(俊乗忌)と12月16日(良弁忌)にしか公開されません。また、鎌倉時代の浴場「大湯屋」は、今回が初公開。建物と内部の鉄湯船は重要文化財です。どっしりした鉄湯船は迫力たっぷり。唐破風付きの浴室や釜場の屋上にある煙出しなども残っており、中世の建物としても貴重なものです。

案内文にも記されていますが、俊乗堂内には重文の愛染明王坐像阿弥陀如来立像も祀られています。

これがまた、それぞれ見所に満ちているのです。

重源上人坐像の向かって左奥に愛染明王坐像(平安時代)、右奥に阿弥陀如来立像(快慶作)という配置でした。

蓮華座に坐す愛染明王ですが、その下で支えているあるモノが気になったのでガイドの方にお伺いしました。すると、その正体は財を貯める壺(宝瓶)とのことでした。どうやら愛情にも財宝にもご利益のある仏像のようです。

六臂(ろっぴ)の手に弓矢を持っているのが愛染明王の特徴ですが、振り上げた左手を握りしめていらっしゃいます。その掌の中には願い事が書かれていて、それを右手の蓮で叩くのだそうです。そうやって心願成就を叶えて下さる明王のようです。

東大寺特別公開

俊乗堂前にも特別公開の看板が立っていました。

俊乗堂・大湯屋の共通拝観料は大人600円、小学生300円となっています。

俊乗堂へ続く階段

大湯屋から俊乗堂へと続く石段。

この石段を上って行くと、行基堂や俊乗堂のある鐘楼ヶ丘へと出ます。

俊乗堂内の阿弥陀如来立像ですが、足の甲には梵字「アン」が刻まれていました。「釘打ちの弥陀」と親しまれ、そのパーフェクトに近い造像にはため息が出るほどです。

俊乗堂前に張られる、拝観受付のテント。

東大寺の歴史にその名を残す俊乗坊重源上人。

その御姿を映した桧の坐像は、あまりにも重厚で荘厳な雰囲気に満ちていました。御顔の肌色もよく残っており、保存状況は至って良好です。今でも基本的には、年二回の開扉に限られています。ところが今回だけは特別に、1カ月のロングランで公開されています。

通常は秘仏の国宝像です。

皆さんも是非この機会に、生き写しの重源上人坐像に手を合わせてみませんか?

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