閉塞石が残存する赤坂天王山3号墳

桜井市倉橋にある赤坂天王山古墳群。

崇峻天皇陵とも噂される赤坂天王山1号墳はあまりにも有名ですが、周囲には10基以上の古墳状隆起が見られます。その中の一つに円墳の3号墳があり、南南東方向に開口しています。昭和10年頃には2号墳の石室にも入ることが出来たようですが、今は土砂に埋もれて入ることができません。その点、石室インが可能な3号墳は貴重です。

赤坂天王山3号墳の閉塞石

赤坂天王山3号墳の残存閉塞石。

開口部に良好な状態で残っていました。閉塞石が破壊された上部隙間から中に入ることが出来ます。閉塞石の石積みの状況が手に取るように分かりますね。これは大変貴重な遺産です。

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3号墳は直径30mの円墳

赤坂天王山1号墳は方墳ですが、1号墳以外の2~5号墳は全て円墳です。

赤坂天王山古墳群の一番南に位置しているのが1号墳で、その西側に2号墳、そして少し離れて北に3号墳があります。尾根の上部に築かれており、横穴式石室が南南東に開口しています。

赤坂天王山3号墳の開口部

赤坂天王山3号墳の横穴式石室開口部。

初めてこの場所を訪れた時、この石室が1号墳だと勘違いして中に入りました。しかし、玄室の中に石棺は無く、すぐに1号墳ではないことに気付きます。石室に使われている石材の大きさもまちまちで、1号墳に比べれば乱雑な印象を受けました。奥壁側により顕著な持ち送りが見られます。

赤坂天王山3号墳の横穴式石室

3号墳の前壁部。

両袖式の横穴式石室です。

右袖幅が0.65mで、左袖幅は0.25mです。両袖式とは言うものの、少し右側に偏っている印象です。こういう場合、片袖式横穴式石室に分類されるボーダーラインはどの辺りにあるんでしょうか。やはり「見た目に明らか」というのが判断基準になっているのかもしれませんね。

赤坂天王山古墳群

赤坂天王山古墳群の入口付近。

このポイントからだと、1号墳が最短距離にあります。私はそのことを知らなかったので、先に左奥の方へ回り込みました。そこで見つけたのが3号墳だったというわけです。ちなみに3号墳の北西に小さな4号墳、北側には大きな5号墳があります。5号墳の直径も約30mに及び、3号墳とほぼ同じサイズとされます。

赤坂天王山3号墳のアクセス

3号墳の手前にあったフェンス。

あれ?と不思議に思ったのですが、簡単に横から入ることができました。

赤坂天王山3号墳の開口部

ありました、ありました!

これが赤坂天王山3号墳の横穴式石室開口部です。

開口部の周囲には竹の木も生えています。なだらかな傾斜の円墳を目の前に、しばし呼吸を整えます。

赤坂天王山3号墳

丘陵の麓を回り込みます。

雑木林の中ですが、意外と光も差し込んでいますね。

赤坂天王山3号墳

このこんもりしているのが古墳です。

もうすっかりお馴染みになりましたが、奈良県内ではよく見られる光景です。

赤坂天王山3号墳の開口部

開口部の左側に竹の節が見られますね。

うまい具合に、ちょうどいい場所に根を張っているようです。

手前に見えている石が閉塞石だと思われます。もうこの入口付近から、石材が内側に傾斜しているのが分かります。奥壁に至るほど、より顕著に傾斜が確認できます。

さぁ、いよいよです。胸をときめかせながら、滑り込むように中へ入ります。

赤坂天王山3号墳の横穴式石室羨道

羨道の側壁が見えてきました。

羨道幅は1.55mを計測します。羨道の石積みは基本的に三段ですね。

赤坂天王山3号墳の横穴式石室

開口部にこれだけ石が残っている石室は初体験です。

石室に蓋をしていた名残ですが、いい塩梅にその上部だけが破壊されていて中に入ることが出来ます。

赤坂天王山3号墳の横穴式石室

玄室の奥壁が見えて参りました。

玄室の床面に注目です!見事な敷石ですね。

玄門付近で少し高くなっていますので、つまずかないように注意が必要です。

赤坂天王山3号墳の横穴式石室玄門

3段の側壁が続いていましたが、玄門部の側壁だけは巨石が使われていますね。

赤坂天王山3号墳の横穴式石室は、全長9.35m、玄室長4.25m、玄室幅2.45mです。玄室の奥壁は4段積み、側壁は4~5段で組まれています。

赤坂天王山3号墳の横穴式石室

様々な形の石が使われています。

築造時期に関しては、赤坂天王山1号墳と同時期かもしくは直前と考えられます。

赤坂天王山3号墳の横穴式石室の玄室天井石

玄室の天井石。

灰色にお化粧しています(笑)

なんとも幽玄な世界が広がっていました!

玄室の床面敷石

玄門手前からだと、綺麗に敷き詰められた敷石をイメージしていましたが、意外とそうでもないようです。

奥壁近くでは小石が散乱しています。さらに一番奥の方は地面が剥き出しになっています。

前壁部

一瞬、濡れているのか?と思いますよね。

これは水分を含んでいるのでしょうか、それとも単にこういう石なのか・・・。

玄室の奥壁

奥壁や側壁にも、何やら色の違いが認められます。

しかもなぜか、一定の高さにラインが引かれています。コレは一体何!?

羨道

ホント、ここからだと玄室内の敷石が綺麗に並んでいるように見えます。

羨道内側壁にも所々に小さい石がかませてあり、絶妙なバランスが保たれています。

赤坂天王山3号墳の閉塞石

出口付近の閉塞石。

これこそが、赤坂天王山3号墳の最大の見所です。

見学の際はお見落としのないように!

赤坂天王山3号墳の横穴式石室

石材表面の模様、さらに石材そのものの形や大きさにバラツキがあります。

このカオスのような状態が見られるのも、3号墳ならではなのかもしれません。

3号墳の場所でそう迷うこともないと思われますが、1号墳の北と覚えておきましょう。正確に言えば、1号墳の開口部からはやや北西寄りに当たります。コフニストの憧れでもある赤坂天王山1号墳へ足を運んだなら、ついでに3号墳も見学しておかれることをおすすめします。

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