ギンガメアジの刺身

歓送迎会の宴席予約が入っていた当日の朝、体長1m近くにも及ぶ大型のギンガメアジが入荷致しました。

鯛のお造りを予定していましたが、急きょ食材をギンガメアジに変更することに致しました。その理由は、何よりも私がギンガメアジの刺身に惚れ込んでいるからでもあります(笑) その脂ののった身は、鯛にも勝る味として定評があります。

ギンガメアジ

入荷したギンガメアジ。

当館の厨房で使っている一番大きなバットにも収まり切らないぐらいのサイズです。これだけ大きなギンガメアジなら、その兜焼きもさぞ美味しいだろうなと頬が緩みます。刺身として捌いた後、その大きな頭とカマの部分を賄い食として頂きました。予想を上回る美味しさに、海の幸への感謝で胸がいっぱいになります。

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鰓蓋上部の黒斑が特徴のギンガメアジ

鯵と一口に言っても、実に様々な種類の鯵がいます。

そんな中でギンガメアジを見分けるためには、やはり鰓蓋(えらぶた)の上部に着目してみることをおすすめ致します。そこには小さな黒斑が見られ、他のアジとの違いを明確にしてくれます。人間で言えば、まるで黒子(ほくろ)のようにも見える小さな黒い点。自然の摂理とでも言ったらいいのでしょうか、ギンガメアジには必ずこの小さな黒斑が付いているのです。

ギンガメアジの刺身

ギンガメアジを捌いて、タコ、イクラ、サザエ、紅たでと共に盛り付けます。

唐草大根を立体的に添えて、歓送迎会のお客様にお出し致します。

ギンガメアジの黒斑

これがギンガメアジをギンガメアジたらしめる、えらぶたの上の黒斑です。

それにしても、一体誰が考えたのでしょうか?この目印は、私たち人間以外にも役立っているのでしょうか。海の中の生物たちも、この目印をもってギンガメアジであるか否かを判別しているのでしょうか。もしそうだとしたら、そこにはどのような目的があるのでしょうか。

ギンガメアジの黒斑

実にはっきりと分かる印です。

こういうのを「刻印」と表現すればよいのでしょうか(笑)

ギンガメアジの棲息する地域は、日本やインド、太平洋などの熱帯、亜熱帯地方とされます。比較的暖かい海に棲息する魚のようです。成魚は珊瑚礁の周りなどで生活しますが、幼魚は河口域から上流まで上ることもあります。ユーチューブ動画などを閲覧していると、ギンガメアジの魚群がトルネード現象を起こしている映像に行き当たります。

大正楼中庭

大正楼中庭。

数年前までは20名様以上の、比較的大人数の歓送迎会が多かったのですが、昨今は時代を反映してか歓送迎会の規模もコンパクトになりつつあります。個室宴会が好まれる傾向にありますが、当館大正楼では中庭を望みながらのご宴会をお楽しみ頂くことができます。

ギンガメアジ

ギンガメアジの全身像。

非常に肉付きの良さそうなギンガメアジです。鯵らしく、シルバーに輝くその魚体は銀紙鯵の名前の由来にもなっています。どこのご家庭のキッチンにも見られる銀紙では少々味気ないのか、もう少しロマンチックな漢字表記として銀河目鯵があります。やはり「銀河目鯵」の方が美味しそうに感じられます(笑)

ギンガメアジのぜいご

実に立派なぜいごです。

「稜鱗」とも呼ばれる硬い鱗ですが、アジには必ず付いています。

料理学校などで行われる魚を三枚おろしにする授業。その際によく使われる魚が大衆魚のアジなわけですが、包丁を横に寝かせて上手にぜいごを取る作業は誰しも経験するところです。普通のアジと違い、目の前の大きなギンガメアジのぜいごはこれまた巨大サイズです。

写真をご覧になれば分かりますが、ギンガメアジのぜいごは黒い色をしています。黒味を帯びたぜいごも、ギンガメアジの特色の一つとして知られます。

ギンガメアジのぜいご

ぜいごを取り除きました。

こんなに大きなぜいごに包丁を入れたのも、私の記憶する限りでは今まで無かったことです。

ギンガメアジの胸鰭

胸鰭もシュッとしていて、実に綺麗です。

泳ぐスピードも速いのではないでしょうか。

ギンガメアジの刺身

お写真ではうまく伝わっていないかもしれませんが、このテカリ具合がいいですね。

口の中で溶ける脂がたまりません。

ギンガメアジの歯

銀河目鯵の歯はこんな感じです。

小さな歯が無数に付いています。

暦の上では4月20日の穀雨を過ぎ、いよいよ初夏を感じさせる時節柄となって参りました。今年のゴールデンウイークも忙しくなりそうです。新緑に包まれる三輪山も魅力的で、数多くの観光客が足を向けます。毎年GWの頃には、不思議な植物のギンリョウソウが大神神社の境内に姿を現します。

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